ダイビング機材は買う必要があるか?




この記事を読んでくださっている方は、多少なりともダイビングに興味があることと思います。ダイビングのライセンスを既に持っている方や、これから取ろうと考えている方もいるかもしれません。そして、多くの人が経験するのが機材を買うべきか否かということです。

結論から先に言いますと、ライセンス取りたての人は機材を買う必要はないと思います。これはあくまで僕の意見ですので、賛否両論あると思います。買った方が良いという意見を持つのは自由ですし、その意見に賛同し機材を買うのも自由です。ただ、僕はほとんどの人が買わなくていいんじゃないかなと思うわけです。

では、なぜ僕がどうしてそう思うのかを説明していきますね。

1.機材購入を勧めてくるのは都市型ショップが多いという事実


ダイビングショップには大別すると都市型とリゾート型があります。都市型はその名の通り、都市にショップを構え、各地でツアーなどを催行します。最寄りのポイントまで送迎してくれたりする場合もあります。リゾート型はダイビングポイント近くにお店を構え、そこに来る旅行客を中心にツアーを催行します。さて、ダイビングのライセンスを取るにはどちらかのタイプのダイビングショップに行く必要があります。学生などでまとまった休みが取れる人などは沖縄旅行ついでにライセンス取得なんてこともできます。この場合はリゾート型のショップにお世話になることになります。一方、社会人の方で土日しか休みがないような方は、都市型のショップに通いで取ることになると思います。そして、後者の方が必ずと言っていいほど出会うのが、機材の紹介です。下記でも紹介していますが、都市型のショップでは機材の紹介に多くの時間が割かれます。そして、ライセンスを取る前から機材を買うことを強く勧められます。

ここが変だよダイビング業界

リゾート型のショップではそのようなことはほとんどありません。というか販売する機材を置いていないところも多いです。これには都市型のショップの止む無い事情も関係していそうです。まず、1点目は都市型のショップは店舗の維持費が高いということです。テナントを借りるにしてもリゾート地と比べたら大きな差が生じるでしょう。2点目はお客さんの数です。一見都市型の方がお客は多いように思いますが、そうではなさそうです。都市型のショップでライセンスを取る方はそれなりにいると思いますが、ライセンスを取ってダイビングに慣れてきた人は、自分で現地のショップにツアーの予約を入れる方が多いのではないでしょうか。都市型のショップでは、よっぽど店員と仲良くなったり、プラスαの価値がない限り固定客にはならなそうです。一方、リゾート型のショップはポイントが近くにありますので、そのポイントを目指してくる人たちをお客さんにすればいいわけです。つまり何が言いたいかといいますと、都市型のショップはツアーのみでやっていくのは難しいのかもしれないということです。そのため、ツアー以外の収入や、固定客になってもらう努力をします。それが機材の販売というわけです。機材を買えばダイビングに行かざるおえなくなりますしね。しかし、「儲けたいので機材買ってください」と言って、機材を買う人なんていません。そこで、「最初から機材を持ってた方が上達が早いですよ」とか、「機材持ってる方がトータルで考えて安くなるよ」とか、あたかも客のことを第一に考えているかのような口上を述べるわけです。もし、本当にお客さんのことを思っているなら、リゾート型のショップでも機材購入を強く勧めるべきです。しかし、リゾート型のショップでは機材購入を勧めてきません。これはお客のことを第一に考えていないからでしょうか。そうではありませんよね、あとは考えればわかると思います。

2.スノボ初心者が道具一式買うか?


さて、少し具体例を出して考えてみましょう。ダイビングと同じように機材をレンタルして行うアクティビティにスノーボードがあります。スキーでもかまいません。あなたは、来週初めてスノーボードをやるという友人に「自分のボードを持ってた方が上達が早くなるから、最初から買った方がいいよ」なんて言うでしょうか?普通の人はいいませんよね。初めてのスノーボードで、もういい!ってなるかもしれませんし、別にレンタルで楽しめればいいやって思うかもしれません。現在、スノーボードを所有している人も始めの数回はレンタルでやり、そのうち自分の道具が欲しくなったから買ったという人がほとんどではないかと思います。ダイビングもこれと同じです。ダイビングだってあくまで趣味です。何回かやっているうちに、ハマる人はハマって、機材が欲しくなれば買えばいいのです。ライセンスを取ってないうちから機材を買うのは何だか違うような気がします。

3.上達に差が出るは本当か?


ショップでは「自分の機材を持っている方が上達が早いですよ」とよく言われます。レンタルだと機材ごとに操作方法が違って、やりづらい云々かんぬん。しかし、言うほど上達が早くなるのかは甚だ疑問です。レンタルの機材は確かにいろいろなものがありますが、種類がそんなに多いわけではないうえに、操作方法もほとんど同じです。例えていうならレンタカーって感じでしょうか。レンタカーは各車で微妙な違いはあれど基本的な操作方法は同じで、運転するのに苦労するってことはほとんどないですよね。
確かに機材を持っている人の方が上達は早いかもしれません。ただ、これは機材を買ったからというよりは、「せっかく機材を買ったのだから行かなければ損」という心理で、たくさんダイビングに行くからではないでしょうか。一見すると機材を買ったことで上達が早くなったように見えますね。これも車で例えてみればわかりやすいかと思います。車を持っている人と持っていない人ではどちらが運転が上手いでしょうか?たぶん車を持っている人でしょう。では、車を持っているから運転が上手いのかと言えば、答えは否ですよね。車を持っていて、運転する機会が多いから上手いのです。機材より頻度が大事ということですね。

4.買った方が安くなるは本当か?

これもショップでよく言われることです。都度、機材をレンタルすることを考えれば一式買った方が安いよと。これは本当でしょうか?これも嘘ではありませんが、購入した機材の元を取るには相当ダイビングに行く必要がありそうです。また、ダイビングの頻度、スタイルによっても大きく変わってくると思われます。まずダイビング機材のレンタル料ですが、これはショップによって大きく異なります。だいたいのところでフルレンタル6,000円~10,000円といったところでしょうか。これだけみると、少なくとも80回程度ダイビングに行けば元は取れそうな感覚になります。80回というのもかなり多いですが、今は目をつむるとして、これにはいくつか落とし穴があります。まず、レンタル料ですが、無料(ツアー代にすでに含まれている)なツアーも結構存在します。その場合は、レンタルしてもしなくてもツアー代は同じです。また自前で機材を持っている人は、現地まで機材を持っていく必要がありますが、沖縄とか遠方でダイビングをする場合には宅急便などを利用することになると思います。ダイビング機材一式はかなりの大きさになります。恐らく160cmとかのサイズになると思いますが、これがなかなかいいお値段します。2018年12月現在で、東京-沖縄(本島)の料金を調べてみると、クロネコで4,082円、郵送で2,610円(いずれも片道)です。往復するとこの倍のお値段がかかります。そうすると、レンタル料の方がむしろ安くなる可能性すら出てきます。リゾートダイビングを主体とする場合は自分の機材を持つ方がかえってお金がかかるということになりかねません。
また、自分の機材を持つと維持費が必要となります。何の維持費かというと、機材のメンテナンス費用です。ダイビングの機材は、1年に1度か、100ダイブに1度ほどオーバーホールが勧められます。命に関わることなので、ここにはお金をかけたいところですが、この費用に15,000ほどの料金がかかります。1~2ダイブ行けてしまうお値段ですね。

これだけ見るとショップ店員の言ってることは嘘のように思えてきますが、人によっては安くなることは事実です。例えばダイビングポイントの近くに住んでいて、毎週末ダイビング行きますとか。リゾートダイビングはしません。とかいう人は確かに、自分の機材を持つ方が安くなると思います。

ショップ店員さんはその辺のことは考えずに機材購入を勧めてきますので、自分の思い描くダイビングライフをよく考えて購入を検討したいですね。ショップの店員さんは数百ダイブ/年しますので、彼らの感覚を当てにしてはダメです笑

5.メンテナンスが面倒くさい


機材を持つことで避けては通れないのが機材のメンテナンスです。ダイビングは海で行いますので、海水の処理が必要です。経験があるかもしれませんが、海水パンツなどはすぐに真水で洗わないとかなり臭くなってしまいます。海には様々な微生物がいるため、これが悪臭を放つ原因になるのですね。ダイビング機材も同じで、使用後すぐに洗う必要があります。ダイビングポイントには大抵、真水の水槽が置いてあって、これで予洗いをして、ウェットスーツなどは家に持って帰ってさらに洗うことになります。ウェットスーツは洗濯機で洗うことはできません。また陰干しが必要だったり、保管の時はハンガーにかけて伸ばした状態で保管することが推奨するなど、かなり扱いが面倒くさいです。そもそも、折りたたまずに収納できる場所を作らなければなりません。しかも素材によっては、衣類に色が変色するから衣類とは別に保管する必要があるものもあるそうです。なんとも家族に怒られそうですね笑 ウェットスーツ以外もBCDという機材はその機材の特性上、内部が完全に乾ききることはないとか、レギュレーターは乾かないと錆びるとか、いろいろと面倒くさいです。一方、レンタル品は予洗い程度まではしますが、あとはショップの方が片づけてくれます。この手間賃を考えればむしろレンタルの方がいいのではと思ってしまいます。

6.所有欲を満たすために買う


ここまで、機材を買う必要がないことについて書いてきました。では、機材を買うことにメリットはないのかというと、もちろんメリットはあります。例えば、前述した通り、海の近くに住んでいて年間何百ダイブもする人や、インストラクターを目指す人なんかは買った方が安い上がりになると思います。また、ウェットスーツなどはオーダーメイドで作るので、レンタルよりも防寒には優れているはずです。まぁ、これはフード付きベストとか買えば解決できるとは思いますが。最大のメリットはやはり、所有欲を満たせることではないでしょうか。自分のものを持つというのは気分が高揚しますよね。何だかんだ理由は言われますが、結局はこれにお金が払えるかどうかだと思います。高価な時計と同じで、自己満足できるかどうかです。50万円と、メンテナンスの面倒くささを所有欲が上回れば買えばいいのです。メリット、デメリット云々は二の次です。欲しければ買う。ただそれだけです。








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